アクリル水槽は衝撃に強く割れにくいイメージがありますが、経年劣化を避けることができません。
アクリルの性質上、水分や湿気がある環境では膨張しますし、内側からの水圧で接着部分に負荷がかかるためです。
とはいえ、水槽は板厚や使用環境によって寿命が大きく変わることがあり、アクリル水槽の場合は厚いアクリル板を選んだり、紫外線を避けて設置したりするなど、アクリルの性質を理解して対策をすることで寿命を延ばすことができます。
ここでは、アクリルが膨らむ原因と水槽の寿命を延ばす対策をご紹介します。アクリル水槽をなるべく長期間使っていきたい場合や導入を検討中の方は、ぜひ、ご覧ください。
- まずはアクリル水槽について動画でおさらい
- アクリル水槽は水で膨らむ!?原因とは
- アクリル水槽の寿命を延ばす対策
- 中古アクリル水槽を購入する際の注意点
- まとめ:アクリルが薄いと水槽が膨らむ?原因と水槽の寿命を延ばす対策とは!
まずはアクリル水槽について動画でおさらい!
アクリル水槽が膨らむ原因や水槽寿命を延ばす対策を知るには、まずアクリル水槽の特性を知っていることが重要です。
特性についてはこの記事を通してご説明をしていますが、こちらの動画でもわかりやすく、キャッチーに解説していますので、ぜひご覧ください。
アクリル水槽は水で膨らむ!?原因とは

アクリル水槽の寿命が縮む原因として一番にあげられるのが、アクリルが膨らんで歪みが発生することです。
素材であるアクリルが膨張するだけでなく、内側からの水圧によって水槽自体も膨らみます。
これは、アクリル素材自体のクオリティではなく、アクリルが持つ性質によるものです。
膨らみ方は水槽の板厚によっても変わるため「アクリルの性質」と「板厚」は水槽の寿命に大きく関係します。
アクリルは水で膨張する

アクリル水槽の素材であるアクリルは、水分や湿気に接すると膨張する性質があります。
アクリル水槽の開口部にリブ(フランジ)加工を施して補強するのは、膨張を抑えるためです。
アクリルが膨張する性質は、アクリル素材のもともとの特性で避けることはできません。
水を扱う水槽の場合、厳密に述べるなら水を張った時点から膨張を始めます。
アクリル水槽の寿命は、この膨張する性質と使用場所などの環境的な要因が合わさって決まります。膨張を完全に止めることはできませんが、板厚を厚くするなどの後述する対策をすることで、数年単位で寿命を延ばすことが可能です。
アクリル水槽が膨らむ、その他の原因

アクリル水槽が膨らむ原因は、アクリル自体の膨張だけではありません。
水を張ることで水槽に水圧がかかり内側から常に押されて、外側に少しずつ膨らんでいきます。
アクリル水槽の膨張は一見すると、それほど違和感を感じない程度で収まることがほとんどですが、新品と比べるとやはり差を感じるでしょう。
また見た目の問題にとどまらず、水槽が膨張した結果、接着部分が圧迫されて剥離するなどの歪みが生じ、破損や水漏れにつながることがあります。接着部分に気泡があると、剥離が始まっている証拠です。膨張が気になる場合は、メンテナンスの時などに接着部分を注意深く点検してみることをおすすめします。
板厚は寿命に影響する

アクリル水槽の寿命には板厚が大きく関係しています。
板厚は素材であるアクリルの厚さですが、厚いほど強度が増します。板厚が増すことで接着面が広くなりますし、板自体の水圧への耐性が高まることで膨らみづらくなるためです。
ただ、板厚は価格や重量にも関係しますので、その点もふまえて選ぶ必要があります。
アクリル水槽の寿命を延ばす対策

アクリル水槽の寿命を左右する、水槽の膨張や板厚について解説してきましたが、ここからはアクリル水槽の寿命を延ばす対策をご紹介します。
水槽の寿命は板厚や使用環境によって数年変わることもあります。水槽は高価なものですので、長く使えるに越したことはありません。アクリル水槽を扱う際には、参考にしてみてください。
水槽の寿命については、こちらの記事で詳しく解説しています。
アクリル板は厚いものを選ぶ
アクリル水槽の板厚は、厚いものを選びましょう。板厚が厚いほど、アクリル板同士の接着面が増えて強度が高まります。ただし、板厚の増加は重量と価格に関係します。まず、板厚が厚くなると水槽の重量も重くなるため、床の耐荷重に配慮する必要が出てきます。
一般的な住宅建築の床の耐荷重は180kg/1平方米です。
一般住宅に置ける最大水槽サイズとは!大型水槽はNG?かかる費用も解説![]()
また、板厚が上がると価格も飛躍的に上がりますので、水槽にかけられる予算を予め決めておき、無理のない範囲で選ぶことをおすすめします。
接着方法による寿命の差について
アクリル水槽はアクリル板を貼り合わせて作りますが、接着方法が2種類あります。
- 溶剤接着
- 重合接着
接着方法によって強度と寿命が大きく変わりますので、アクリル水槽を選ぶ際には、ぜひ確認してみてください。
溶剤接着でも10年ほど使用できることがある
溶剤接着は、アクリル水槽ではスタンダードな接着方法です。アクリル板の接着面を溶かして接着します。接着部分に気泡が入ることがなく、つなぎ目がきれいに仕上がるのが特徴です。
そのため、展示用ケースなどにも向いています。
溶剤接着は重合接着より強度が下がりますが、一般的には5〜7年、長いもので10年程度が寿命の目安です。あくまで長期間使えた場合ですので、使用環境に左右されます。
耐久度を高めるなら、重合接着がおすすめ
耐久度を重視するなら、重合接着で作られたアクリル水槽がおすすめです。
重合接着は、アクリル板の間にアクリル材を注入・硬化させることで接着します。この時、粘度の高いアクリル材を使うため、接着面に細かな気泡が入ることがありますが、強度には影響ありません。
寿命はほとんど10年程度で、溶剤接着の水槽よりも長期間使うことが可能です。
8mm以上の板厚があるアクリル板から重合接着が可能で、より水圧がかかりやすい大型水槽や板厚が13?以上ある場合は、特に重合接着をおすすめします。
重合接着の特徴として、内側がR加工(角丸)のようになり接着面がフラットになりますので、メラミンスポンジなどを使用した掃除が楽になるのが利点です。
水を張って使用していると、コケはどうしても生えてきますが、水槽の観賞性を美しく保ちやすくなります。
アクリル水槽の接着方法については、こちらの記事をご覧ください。
専用の水槽台を使用する

水槽の寿命を延ばすためには、専用の水槽台や耐荷重が十分にある台を使うようにしましょう。水槽台が水槽の底面より少しでも小さかったり、傾いていたりすると水槽にかかる負荷が偏ります。一部とはいえ水漏れすると使用が難しくなるため、水槽を安定させられる水槽台を選ぶことが重要です。
また、水槽台が水平でも設置場所が若干傾いていることがあります。水槽台を置く前に水平器を使って確認しておきましょう。板厚や接着方法、水槽の膨張など、水槽自体が要因の劣化を完全に止めることはできませんが、水槽台や水槽の設置場所など環境的要員を整えることで、水槽の丈夫さに関わらず寿命を延ばすことが可能です。
紫外線を避ける
アクリル水槽を設置する場合は、紫外線を避けられる場所に置くようにしましょう。アクリルは紫外線や熱の変化に弱い性質があります。直射日光に当たると劣化が早まりますので、直射日光は避けて水槽用照明で管理することが重要です。
また水が入っているとはいえ、アクリルは水分によって膨張するため、極度の湿気がある場所での運用は控えましょう。
中古アクリル水槽を購入する際の注意点

水槽は高価なものですので「中古で購入したい」という方も多いです。ただし、中古のアクリル水槽はどのように使われていたのか不明なため、劣化している状態を見極める必要があります。
中古のアクリル水槽を購入する場合は、次の2つがポイントです。
- 接着面の色
- クラック(ヒビや亀裂)の有無
接着面に白いムラがある場合は、剥離している証拠です。
透明なものほど劣化していない水槽といえます。クラック(ヒビや亀裂)のある水槽も使い込まれているため、避けた方が良いです。
アクリル水槽は傷が付きやすいことから、小さな傷によって透明度が落ちていることも少なくありません。無傷とはいきませんが、鑑賞性に影響しない程度の水槽を探すようにしましょう。
まとめ:アクリルが薄いと水槽が膨らむ?原因と水槽の寿命を延ばす対策とは!

今回は、アクリルが膨らむ原因と水槽の寿命を延ばす対策をご紹介しました。
アクリルは軽量で扱いやすいですが、水分・湿気で膨張する性質を持ち、水圧によって水槽自体も膨らんだり、接着部分が圧迫されて剥離することがあります。剥離が進むと接着面に白いムラができますので、ひどい場合は水漏れする前に新しい水槽を用意しましょう。
アクリル水槽の寿命は、溶剤接着では5〜7年、重合接着では10年程度が目安です。
また、専用の水槽台を使用したり、紫外線を避けて設置したりすることで、アクリル水槽の寿命を延ばすこともできます。扱い方によって寿命が数年変わることもありますので、水槽に負荷をかけず使用環境に配慮するよう心がけましょう。
厚みのある板厚のアクリル水槽をご入用の際は、ぜひご相談ください。
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